春の訪れ。

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校門の前には、ほぼ満開の桜の木。 ドキドキしながら入学してきた1年前が、もう懐かしい。 「ごめんね、実咲っ! 委員会長引いてさぁっ……」 「大丈夫だよー、帰ろっか」 中学からの友達の、斉藤 彩菜(サイトウ アヤナ)。 みんなからは、アヤって呼ばれてる。 去年は違うクラスだったけど、また今年は一緒になれて、すごく嬉しかったなぁ。 そしてもう1人、いつも一緒にいるのは、 「あれ? 麻依は?」 宇野南 麻依(ウノナミ マイ)。 麻依は吹奏楽部に入ってて、今日も部活でいない。 それをアヤに伝えると、 「じゃあさっ、サッカー部、見に行こうよ!」 やっぱり、言うと思った。 「え~、前にも行ったじゃん」 ついでに言うと、サッカー部にあたしの好きな人がいるとか、変な噂までたったし。 「だって麻依いると行きにくいし~…。 さっ、行こ行こ!」 あたしの意思とは関係なしに、アヤはグラウンドに向かって歩いて行く。
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