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朝夕がだいぶ肌寒くなってきた十月の夕暮れ時。俺は気温よりも寒い事態に巻き込まれていた。
周囲には金属バットやら木刀やら、様々な武器を持った奴らが十三人居る。加えて恐らく見物が目的で参加するつもりはないであろう女も三人居る。
初めはもっと少なかったのに、なんだかんだやってるうちにいつの間にかこの人数になっていた。
しかもそのうちの半分はそこそこ名の通った奴らだ。恐らくこのメンツからしたら残り半分も結構強いだろう。
ついでに女たちもこの辺りのレディースを占めているといっても過言ではないほど有名な奴らだ。
何なんだよ、この組み合わせと人数は。
それでも八人までならなんとかなったかもしんねえのに……。いくらなんでも勝てる自信は全くねえぞ。
「もうおめえに勝ち目はねえよ。諦めて大人しくやられな」
相手の一人がにやにやしながら口を開いた。
――はあ。ったく。勘弁してくれよな。これからあいつらと飲みに行く約束あんのに……。これじゃ遅れるどころか行けねえじゃん。
そもそもあの三人組とぐだぐた話してなきゃ良かったんだよな。
俺の脳裏には事の発端となった三人組が浮かんだ。
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