プロローグ

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 三人組に会ったのはつい十五分くらい前。学校から帰る途中のことだ。  ここ最近は学校の近くに住んでいるツレで今日一緒に飲みに行くメンツの一人――秀人(ひでと)の家に置かせてもらう形で単車で学校に行っていたけど、その単車が故障して昨日修理に出したから今日は久しぶりに電車で行くことになった。だから電車を降りた後は歩きになる。  俺は夕暮れ時独特の肌寒さを感じながら家を目指していた。  三人組の男に声をかけられたのはこの時だ。  もうすぐで家に着くというところで、この辺りの高校の制服を着た奴らが俺の行く手を塞いだ。 「ちょっとそこのお兄さん。俺ら金なくて困ってんだよね。少し恵んでもらえないかな。大人しく出してくれれば痛い目みなくてすむよ」  三人のうちの一人がにやつきながら話しかけてくる。  これから飲みに行く約束があるって時にこういう奴らの相手をするのは正直面倒くさい。 「何、かつあげかなんか?」  俺はため息をついて三人を見回した。
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