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まためんどくせえのが出てきたな。しかも何で全員武器持ちなんだよ。
心の中でもう一度深いため息をつきながらそいつらを見回す。
声を掛けてきた男は同中(おなちゅう)の奴で、昔から何かと俺を目の敵(かたき)にしている。厳密に言えば俺だけじゃなくて俺と鏡司(きょうじ)を、なんだけど。
つまり実際助ける気がないのは確認しなくても分かる。からかうようなわざとらしい言葉遣いもそれを裏付けているように思えた。
その男――和貴(かずき)と一緒に居るのは、これまたそこそこ有名な奴らも入って全部で八人。万が一こいつらが全員やる気になったらさすがにキツい。
内心では頼むから仕掛けてこないでくれよ、と思いつつ平静を装って口を開く。
「そんなんじゃねえよ。つかもう話も終わって帰るとこだから余計なお世話。おめえも物騒なもん持ち歩いてねえで大人しく帰れよ」
俺は言いながらその場を去ろうとした。
しかし和貴が行く手を塞ぎ、三人組に視線を移して確認するように口を開く。
「へえ。そうなの?」
三人は何故か怯えたような表情で和貴を見るだけで答えようとしない。
もしかして和貴たちのこと知ってんのか? むしろ和貴は三人組の高校から一番近い学校だから知っててもおかしくはねえよな。
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