Right=Left

Gate

　広々とした室内を、天井にあるシャンデリアのロウソクの灯が照らし優艶な雰囲気を演出。

　床には手触りのよい獣毛で造られた、赤い絨毯。

　正方形の広々とした室内では北側にカウンターのようなものがあり、カウンター内では七人の女性が同じ制服を着て同じような笑顔を浮かべて立っていた。
　髪型と化粧こそはそれぞれ違うものの、よく見るとなんと七人全員同じ顔である。

　東側には白い壁があり、壁の前に人三人分ほどの間を空けて黒皮で造られた八人掛けのソファーが置かれ、大理石で造られた机を挟んで向かいあうかたちでまたソファーが配置されている。

　ソファーと机のセットは九セット。

　壁に寄りかかる何人かの者を除き、数十人の男たちがそれぞれ五人から十人の固まりをつくってソファーの上に座っている。

　西側には、この室内には似つかわしくない禍々しい雰囲気を放つ、黒と白が混ざりきらないような淀んだ色の扉がどんとかまえられており、扉の前には黒いスーツに身を包み同色のハットを被った紳士的な長身の老人がひとり立つ。

　どこからか穏やかなピアノの音が流れ室内を満たし、西側の扉さえなければどこかの高級ホテルのロビーのようにも見えるその場所。

「……進化したんだ」

　そして南側の壁側に、少女はひとりぽかんと口を開けて立っていた。