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 車掌の後ろ姿を見送った少女は、再び背もたれに背を預けた。 “君に、神とスーマ様の加護があらんことを”  瞼を下ろしてから、少女は先ほど車掌に言われた言葉を小さく復唱した。  そして少女はまだどこか幼さを残すその顔に、先ほど車掌に向けた笑みとは違ったどこか皮肉げな笑みを浮かべた。  そのまま窓の方へと首を傾けた少女は、再び赤に染まる天を見上げた。  窓の外から聞こえてきていた音たちはいつの間にか聞こえてこなくなっており、聞こえてこなくなった音たちの代わりに、いくつか新しい音が増えていた。  雪崩、もしくは建物が崩れ落ちる時のような轟音に、可愛いとは言えない“動物”の低く唸るような鳴き声。        「申し訳ないけれど……私にはスーマ様の加護しかいらないよ」 カタン  コトン  魔力車は少女をゆっくりと、でも確実に、新しい音の元へと運んでいく。
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