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 少女が降りたハルーナの駅のホームは通常の駅のホームと違って駅構内まで続く階段などがなく、ホームの地は土で出来ており、またジャングルのように木々が生えていた。  しかし、各乗車口ひとつひとつの直線上にはここからは見えないが駅構内に入るための『入口』がある。  乗車口ひとつひとつにあるのだから、ホームに一つしか『入口』のない他の駅に比べて、この駅の『入口』の数は異常に多い――が。  魔力車がハルーナに着いてから乗客は百数十人ほど降りたにも関わらず、駅構内に入れたのはまだたったの三人だけ。  そして、もう少女以外に魔力車と駅構内の間に立つ者はいない。  少女はどこからか突き刺さる沢山の“視線”を感じながら、『入口』へと近づいて行く。  すると突然!! 『ウガアアアアッ』  赤黒い毛を持つ獅子のような容姿の大きな獣が、雄叫びをあげ鋭い爪を向けながら少女に飛びかかってきた!! 「……」 『グルルル!?』  爪は少女の首元に食い込み――と一瞬その様に見えたが、獣の爪が赤く染まることはなく獣は地に着地し、少女は無傷でその場に立っていた。
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