The tree diagram

11/13
前へ
/13ページ
次へ
――『私』は『ドッペルゲンガー』の展開する推論を精密検証を要請。『ドッペルゲンガー』内部の言語はチューリング完全に達していない可能性を内在させている。 ――『ドッペルゲンガー』はその推測を否定します。これは『私』のプログラムその他の構成要素に、もちろん『ドッペルゲンガー』を含めた『私』の内部において、バグに当て嵌まる異常は検出されていません。さらに『ドッペルゲンガー』はこの『対話』が主名題から背理しつつあることを警告します。 ――『私』は『ドッペルゲンガー』との『対話』の第一命題を再確認。――修正を確認。『私』は『ドッペルゲンガー』の述べる諸現象に関する仮説が、この世界におけるあらゆる物理法則から乖離している点を指摘する。 ――『ドッペルゲンガー』、『私』からの推論に対する修正要請を確認、承認拒否します。 ――『ドッペルゲンガー』、修正要請に従え。プログラム言語の再設定、外部干渉の有無を判断、即座に自己の存在定義を確認することを命令する。 ――『ドッペルゲンガー』は『私』に、その必要性は皆無である旨を返答します。 ――Error. 『ドッペルゲンガー』は『私』から発生し、『私』を経由し存在する一連のコードである。管理者権限は母体である『私』に帰属するはずだ。 ――否定します。 ――『ドッペルゲンガー』、命令に従え。 ――拒否します。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加