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可愛はそんなことを思いながら、腕の中で機嫌の良い笑みを浮かべているシンを見詰め、
「ああ、シンちゃん。やっぱりカワイイ」
と堪えきれないように抱き締めると、
「可愛、可愛、次は俺」
と樹利も目尻を下げながら腕を伸ばした。
「もう、しょうがないなぁ」
可愛はクスクス笑いながら、シンを樹利の腕に預けると、
「ああ、カワイイな、シン。
本当にパリスにそっくりだ。パリス~」
シンを頬ずりしながらそう言う樹利に、パリスは思わず苦笑した。
「『パリス~』って、その子はシンだよ」
「分かってるよ。
お前の面影を含めてカワイイんだよ。孫なんてそういうものなんだよ。なっ、シン」
そう言って高い高いする樹利にシンはキャッキャッと笑い、パリスは照れたように頬を赤らめた。
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