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廊下に出ると左側非常階段から轟々と火の手が上がって来ることを感じ、その熱気に息を詰まらせた。
パリスはしっかりと喬の手を掴み右側通路の突き当たりに向かって走ると、ちょうどトイレと窓があり、しめた、とパリスは素早くトイレのドアを開けた。
洋式便器にロープを結びつけてパリスは窓枠に腰をかけ、確認するようにロープを手にしながら喬を見た。
『喬さん、僕があなたを連れて下まで降りますから、しっかりつかまってください』
強い口調でそう言ったパリスに、喬は目を見開いた。
『そんなこと……そんなこと、出来るわけないじゃない』
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