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「日本人は若く見られる上に、桐華は年齢不詳だからな。
イギリス人の目には更に若く見えているだろうね。
イギリスの生活はどうだい?」
頬杖をつきながら少し楽しげにそう尋ねた忍に、桐華は「そうね」と腕を組んだ。
「食べ物はあまり好きじゃないわ、だけどコックに日本食を作らせているから問題はないし、街の雰囲気は意外と落ち着くの。
もしかしたらパリよりも好きかもしれない。引退後はイギリス郊外に住むことも視野に入れてるくらいよ」
その言葉に忍は目を輝かせて身を乗り出した。
「イギリス郊外にうちの別荘があるよ。
『薔薇の館』と呼ばれるそれは美しい別荘でね、そこを俺達の新居にしてもいいんじゃないか?」
桐華は『やれやれ』と息をつき、肩をすくめた。
「まだそんなこと言ってたの?」
「チャンスがあれば何度でも言うよ」
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