第1章 『青天の霹靂』

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「……あなたは私よりうんとお金を持っているだろうし、一体何が目的なわけ?」 「言っただろう? 僕は見栄っぱりなんだ。 桐華と言うブランドのすべてが目的だよ。その美しさも強さも知名度も。そこそこの女なんかと結婚したくないんだよ」 強い口調で言った忍に、桐華は目を細めた。 「バカじゃない? 自分の側に置くものを最高で満たして、自分の至らなさを隠そうなんて、あなたって本当に可哀相な人ね。 それは自分の内側に潜む自信のなさの現われね」 吐き捨てるように言った桐華に、忍はニッと笑った。 「そうだよ。そして君もそうだろう? 自分の側に置くものは最高で満たしたかったはずだ。だから樹利に惹かれたんだろう?」 その言葉に、桐華はグッと言葉を詰まらせた。
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