川原 悠

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そんな僕はいつも家でのんびりしている。 ネットを利用したり、音楽を聴いたり、ドロドロの昼ドラを見たり……。 こんな僕に両親は何も言わない。 学校に行きたがらないから多少の事情は察しているのだろうけど無理に学校を行かせようとはしない。 その代わり、何の心配もされない。 「大丈夫?」の一言も何もない。 別に言われたところでいじめが消える訳じゃないからいいけどさ。 僕には一つ年下の妹がいる。 妹は僕と違って公立中学ではなく私立中学に通っていて頭も良い。 その上、容姿も綺麗で積極的で、運動神経もそれなりに抜群で性格も優しく、何より“自分”というものを持っている。 そんな妹はさぞかし学校でも人気何だろうな。 両親はこんな地味な僕より輝いている妹の方がよっぽど可愛いと思うに決まってる。 僕なんかただの邪魔者だろう。 そんなの最初から分かってるけど。
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