103号室(晴れ)

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昨日までの雨が嘘みたいに晴れている。 なんでやろうか8月に入ったのにかなり寒い あぁ、俺の部屋のクーラーのせいか。 そう思っていると俺の部屋にインターホンの音がなる。 ピンポーン 俺は誰だか確認もしないで 「入ってぇ」 と叫ぶ、誰が来たかは分かっている。 中学の頃からの付き合いの裕太がきた。 裕太は俺の部屋に入るなりいきなり 「喉乾いたわ、ってか寒かばい?この部屋、正直やべーわ」笑いながらくつろぎ始めた。 「お前ちょ、待てやん!人ん家の冷蔵庫勝手に開けんなやん」 俺は裕太といるのが最近は一番楽しい。 俺の親は8年前の俺が12才のときに死んだ。 もともとお袋しかいなかった俺のお袋が死んだときは正直泣いた。 でも涙は出せなかった、俺には妹と弟がいるから。 その妹と弟も死んだ。 というよりも俺の妹が弟を殺した。 お袋が死んだときは泣けなかった俺もこのときばかりは泣いた。 泣いて泣いて泣いて…
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