進撃のコミケ

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朝、会社名があのかじると何ともいえない酸味が口の中に広がっていく赤色の果物を英語読みした名前の会社が作ったスタイリッシュかつシンプルなデザイン、そして感覚的な操作を実現させた長方形のスマートフォンから流れる軽快なマリンバの音が俺を目覚めさせました。 「うーん……」 「おい起きろ、朝だぞ。太陽が一周して俺達におはようって言ってんだぞ。まあ正確には地球が太陽の前で自転しているからそう見えるだけなんだが。それに気づかずに自分達を中心に世界が回っているとのたまっている人間どもは一体なんなんだろうな」 「完全に目が覚めました」 親父の執拗なモーニングコールから逃れ、洗面所で顔を洗います。 「スクランブルエッグ作ったけど食うー?」 「食いますわー」 ナイス親父さん。 顔を拭いてリビングに行くと慣れた様子でタバコをくわえた親父が2つの皿にスクランブルエッグを分けてました。 「ほらよ」 「あざっす」 箸を取って食べようとすると、親父に「おい」と言われました。 「いただきますは?」 「……いただきます」 変なところで厳しいんすよねー、昔から。
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