幼馴染み

8/19
前へ
/21ページ
次へ
「……遠慮する」 理性が邪魔をしやがった。 引きこもりスキル、“チキン”が発動しちまったようだ。 もう、俺ったら。 シャイなんだからっ。 「もう一度言うけど、遠慮はいらないよ。私は、かずきくんの股関がどの様な状態になっても動じないと誓うから」 「いらない気を回すなっ! 腐れ縁の雌にたったりしないわ!」 俺は悟った。 これは照れ隠しだ。 素直じゃない幼馴染みの、照れ隠し。 こいつにも、羞恥心ってのは働くらしい。 抱き締められているのが、恥ずかしいんだな。 頬を染めながら、あやかは少し不安そうな顔をした。 そして、不安の種を告げる。 「もしかして……、クララ……?」 間髪入れず、俺は突っ込んだ。 「誰がクララか!!?」 俺のリアクションに、クスクスと笑うあやか。 俺で遊びやがって……。 まあ、あやかが元気になったようだし、良しとするか。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加