4人が本棚に入れています
本棚に追加
「……遠慮する」
理性が邪魔をしやがった。
引きこもりスキル、“チキン”が発動しちまったようだ。
もう、俺ったら。
シャイなんだからっ。
「もう一度言うけど、遠慮はいらないよ。私は、かずきくんの股関がどの様な状態になっても動じないと誓うから」
「いらない気を回すなっ! 腐れ縁の雌にたったりしないわ!」
俺は悟った。
これは照れ隠しだ。
素直じゃない幼馴染みの、照れ隠し。
こいつにも、羞恥心ってのは働くらしい。
抱き締められているのが、恥ずかしいんだな。
頬を染めながら、あやかは少し不安そうな顔をした。
そして、不安の種を告げる。
「もしかして……、クララ……?」
間髪入れず、俺は突っ込んだ。
「誰がクララか!!?」
俺のリアクションに、クスクスと笑うあやか。
俺で遊びやがって……。
まあ、あやかが元気になったようだし、良しとするか。
最初のコメントを投稿しよう!