幼馴染み

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あやかが俺の胸で落ち着きを取り戻している間に、あやかについて、紹介しようと思う。 あやかは、若干天然のそれがある女の子だ。 見た目は、普通に可愛い。 化粧を好まず、ナチュラルメイクで勝負するタイプだ。 つまり、素で可愛い。 正直、彼氏がいないのが驚きだ。 あやかとの出会いは、……うーん。思い出せない。 気がついたら、そこにいた。傍にいた。 物心ついた時には、あやかが共にいたのだ。あやかと共にいたのだ。 幼稚園の頃、常に二人でいた。いつも二人で遊んでいた。何をするにも二人だった。お互いに、一緒にいるのが当たり前だと思っていた。 小学生の頃、俺はあやかを拒んだ。女の子と遊ぶのが、恥ずかしい年頃だったのだ。登下校はあやかと一緒だったが、その時もあやかから三歩分は、必ず離れていた。 中学生の時、今度はあやかが俺と一緒にいるのを拒んだ。頬を赤く染めて、俺から逃げ惑った。休み時間は学校中あやかを追いかけ回したものだ。女子トイレでも構わず浸入し、担任に正座させられたっけな。 高校生になると、二人とも落ち着き、意識せず常に一緒にいた。登下校も、休み時間も、放課後も、休日も、あやかのいない時はなかった。 俺達は、幼馴染みだ。 正真正銘、掛け値なく。 これからも、これまでも。
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