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「……ふっ、お前が考えているものとはおそらく違う。私はそんなに易くない」
女は微笑して、偉そうにふんぞりかえった。
「・・・お前のその態度はどうにかならないのか?」
「余計な世話だ!!」
そう叫んだ女の声が路地に響く。
目を見張った俺に、女は掴みかかるような勢いで、捲くし立てる。
「最低限度以上の探りはいらない」
「分かったから、静かにしてくれ」
「……、っち」
ついに舌打ちまで。
今まで見た女の中で一番品がない。
「まぁ、いい。今はそんなことより、とにかく進む・・・進みたいんだがその前にお前の足が先だ」
「構わないと言ってだろう」
「お前が構わなくてもな、俺は気にするんだよ。黙ってろ」
女は呆れた表情で俺を見る。
「・・・とんだお人好しだな」
「何とでも言え」
どんなに態度が偉そうで、苛立ちを掻き立てる女でも、まだ子供。
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