白に染まる町

8/15

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
俺は、どうやら大事な決断をしなければならないらしい。 「逃げれきれると思うか?」 「・・・」 「私を追ってきた奴らは、ざっと30人程度。しかも政府の軍の手練ばかり」 時間は刻々と過ぎていく。 死ぬわけには、いかない。 まだやり遂げなければいけないことがある。 その為に、ここにいる。 「さぁ、どうする?」 女は目を細めて、こちらを見た。 何とも嫌な笑みだ。 「分かった、助けてやるから返せ」 「・・・ふん、それでいいのだ」 女は長く白い髪を翻し、くるりと振り向いて。 俺を真っ直ぐに見つめる。 「お前に、初めから選択肢などない」 そう言った女の上で浮いていた剣が円を描き、俺の所に戻ってくる。 それをキャッチして、鞘から抜き、女に突きつける。 「おい女、次はお前だからな」 「・・・、戯言を。わたしを殺せはせんよ」 女はなぜか、悲しそうに笑った。 しかしそんなことを気にしている暇はない
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加