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俺は、どうやら大事な決断をしなければならないらしい。
「逃げれきれると思うか?」
「・・・」
「私を追ってきた奴らは、ざっと30人程度。しかも政府の軍の手練ばかり」
時間は刻々と過ぎていく。
死ぬわけには、いかない。
まだやり遂げなければいけないことがある。
その為に、ここにいる。
「さぁ、どうする?」
女は目を細めて、こちらを見た。
何とも嫌な笑みだ。
「分かった、助けてやるから返せ」
「・・・ふん、それでいいのだ」
女は長く白い髪を翻し、くるりと振り向いて。
俺を真っ直ぐに見つめる。
「お前に、初めから選択肢などない」
そう言った女の上で浮いていた剣が円を描き、俺の所に戻ってくる。
それをキャッチして、鞘から抜き、女に突きつける。
「おい女、次はお前だからな」
「・・・、戯言を。わたしを殺せはせんよ」
女はなぜか、悲しそうに笑った。
しかしそんなことを気にしている暇はない
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