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「やっぱりやめようよ」
ウォータースライダーの入口で、
真新しいオレンジの海パンを履いたマーロンは泣き声を出した。
底に水を流した滑り台は遥か眼下に広がる水色のプールまで
うねりを描いて続いており、
まるでとぐろを巻いた巨大な青い蛇の様に見えた。
夕べホテルの部屋のテレビで見たのは巨大な毒蛇の映画だった、
とマーロンは思い出す。
そいつは普段は水の奥深くに隠れていて、
急に姿を現してはとぐろで人を絞め殺すのだ。
「死んじゃうよお」
浮き輪を被せてくれた係員たちが後ろで笑いをこらえているのが分かったが、怖いものは怖い。
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