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ミーンミーン……
忙しく鳴く蝉と共に、うだるような暑さがじっとりと身に染み込んでくる。
数日間の停学も明け、学校生活が始まってから既に五日。
紗那が屋上から転落しかけた事故からずっと封鎖されていた屋上も、今は解禁され、俺はその屋上で夏の日差しを全身に浴びていた。
「暑い……」
言うまでもない事だが、夏の日差しが暑くないわけがない。
今は七月の半ば、ここ数日の気温も三十度近辺を推移している。
「あっれぇ、兄さん。何やってるの?一人?」
屋上に現れたのはサバサバした性格の後輩、茉莉である。
相変わらずのけしからん胸を揺らしつつ、パックのジュースをストローで飲みながら、かつ楽しそうに俺の元へと近付いて来た。
「今日も暑いねぇ」
「うむ」
「飲む?美味しいよ?」
ストローを俺の方へと差し出した茉莉。
そしてニヤニヤと怪しい笑みを浮かべている。
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