プロローグ 開演する終幕

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そんな茉莉の事など気にせず、そのストローをくわえてみる。 「ふふ、これは間接キスだね、兄さん」 とりあえず一気に吸い込んでやると、中身を全部吐き出したパックはしぼんでしまう。 「あぁっ!ちょっと兄さん!全部いっちゃったの!?」 「ふむ、非常に美味だったぞ。ちなみに言っとくが、俺は間接キスなんぞにトキメくような人間ではない」 そう、もう俺はそういった垣根はとっくに越えているのである。 「はは~ん、本物の唇がいいって事だね」 「そうは言っとらん」 「ふ~ん」 茉莉は俺の横に立ち、俺の真似をするように腕を組んだ。 まるでプロ雀士のような姿である。 しかし一体こいつは何がしたいのかさっぱりわからん。 「何やってん?」 「兄さんと同じポーズしてみれば、兄さんが考えてる事がわかるかなって」 「んで、何かわかったか?」 「そうだね。全然わかんないね」
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