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「それもその一部ではある。俺はもう三年だから、この場所での思い出はお前よりも二年分多いんだよ」
と言ってみたものの、俺の中に蘇るのは二年の頃の記憶ばかり。
色んな事があったなと、感傷に浸ってしまうのは俺の悪い癖なのかもしれない。
「ふ~ん、そうなんだ」
「しかし……暑いな」
「確かにぃ~。兄さん、太陽倒してよ」
「任せとけ。あいつ最近調子乗ってるから、俺のスタープラチナでぶっ壊してやるぜ」
「じゃあアタシ、ストーンフリーね!」
何気ない日常が流れていく。
一時はどうなる事かと思った俺の生活も、早くも平静を取り戻していた。
家に帰れば美風と茜さん、ゴンザレス、たまに忠明さんがいる。
学校にはクラスメートの仲間達がいて、生徒会では騒がしい後輩達がいる。
舞華がいなくなった事はショックだけど、それでもみんなの日常は続いていくのだ。
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