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龍一は面倒くさそうに封筒を手にとると中身を見ずにゴミ箱に投げ捨てた、それを見ていたとくやんは封筒をゴミ箱から拾い、龍一の前に差し出す
『こんなかわいい封筒が果たし状な分けないだろ!せめて中身を読んであげないと可哀想じゃないか・・?!』
とくやんがしつこく言うので龍一は溜め息混じりに嫌々、封筒を受けとると封を開けて中身を確認する、中にはこれまた可愛らしいピンク色の便箋に赤いボールペンで文が綴ってある
゛羽山龍一さまへ
私の事を覚えていますかぁ?2ーAの神崎稟です、放課後、音楽室で待ってますぅ~(=^ェ^=)ニャ゛
便箋には女の子らしい丸文字で放課後
、音楽室で待っていると言う内容がかれていた、龍一には最後に書かれた猫の絵に見覚えがあった、とくやんは龍一の後ろから手紙を盗み見てニヤニヤしている
(神崎・・・・・りん・・・・か、懐かしいな)
『2ーAって隣のクラスじゃないか!放課後音楽室で・・・・くぅ~!やるな』
『なにがだよ?』
『なにって・・・告白に決まってるじゃないか!』
とくやんは得意気に腰に手をおいて鼻からフッーと息をはいた、龍一はそれを無視して自分の机に腰掛けた
『そんなわけないだろ・・・神崎稟は俺の幼なじみだ』
とくやんは興奮して龍一の肩を掴むと前後に激しく揺さぶった
『幼なじみ?!恋ばなの定番じゃないか!なんで黙ってたんだよっ』
『別に言うほどのことじゃないだろ?もう4年は話すらしてないんだし』
神崎稟は幼、小、中、高とずっと同じ学校に通ってはいたがお互い思春期な事もあり、小学校の頃からだんだん疎遠になり中学に上がる頃にはもう廊下ですれ違っても挨拶すらしなくなっていた
(なんで今頃、手紙なんかを・・・・)
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