(三)中井理沙の場合

3/7
前へ
/190ページ
次へ
理沙は大木のかなり上まで登ったかと思うと、東西南北、樹海のあちこちを見渡した。 あ~あ、なるほどね。 木の上からヤーマン農機の現地説明会、会場を探すってか! あんた…そんなの無理に決まってるだろうが。 クーバカな女。でもそこがまたかわいい。 僕は完全に彼女のファンになっていた。 すっかり夢中になって、理沙に見とれていると、木に絡まっていた太くて茶色いツタが、 突如ニョロニョロと動き出した。 「なっなんだ?」
/190ページ

最初のコメントを投稿しよう!

149人が本棚に入れています
本棚に追加