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一陣の風が吹いた。
少女はなぶく髪を押さえた。少年が風から守るように、少女を抱き寄せる。すっぽりと腕の中に収まる少女の髪を少年は撫でた。愛おしげに。
「大丈夫か?」
「うん。ありがとう」
2人は幸せそうに笑った。互いの温もりを感じられるように、身を寄せあう。
少女は温かくて。
少年は冷たくて。
2人の体温が混ざって、心地好い温度となる。
「よし!これから遊びに行こうぜ」
「そうだね。行こっか!」
2人は歩を進めた。夕陽に2つの影が伸びる。先ほどまで音を立てていた風は、静かに2人を揺らしていた。
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