プロローグ~華 開く時~

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初めて出会った時のことは覚えていない。 それはきっと向こうも同じ。 同じバイト先の先輩で、特に意識したりすることはなかった。 自分は高校生で、向こうは一回り近く離れている。 結婚もしており、子供もいるっていう話を小耳に挟んでいた。 シフトを一緒に入っている時間も少なく、話すこともあまりない。 ほかの男の人は結構よく話し掛けてくれるが、彼は違っていた。 ちやほやされたいわけじゃないけど会話がないのでなにかを感じることもない。 ずっと、ただの「バイトの先輩」であるだけだと思っていた。 それだけ…
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