~悲恋華境~

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「えーっとね、とりあえずレジのやり方を覚えていこうか。」 初日、店長さんが付きっきりでレジの打ち方、間違えたときの対処法などを教えてくれた。 物覚えはいいほうじゃないけど、これぐらいなら…まぁなんとか。 「大丈夫、愛華ちゃんはかわいいから多少失敗してもお客さんだって許してくれるよ。」 店長さんはそういってくれたけど…私はとりわけ自分のことをかわいいと思っていないし、不安は不安だ。 「あはは!ちょっと店長ー!その教え方雑すぎでしょ!」 と、そこへ隣のレジに立っていたバイトの女の人が笑ってこっちを見ていた。 「いいだろー別に。」 「えーっと愛華ちゃん、だっけ?」 「は、はい!」 長い毛を横に束ねた、笑顔が印象的なお姉さんが私の名を呼ぶ。 「店長割と雑いところあるからね、わからないことがあったら聞いて。」 「ありがとうございます。」 こらー無視すんなーという店長さんの声を無視して、お姉さんが微笑む。 「あ、自己紹介まだだったね。私、篠原心実。よろしくね!」 「咲夜愛華です、よろしくお願いします!」 挨拶を交わすと篠原さんはまた笑った。 明るくて、まるで太陽のような笑顔で。
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