~悲恋華境~

6/9
前へ
/11ページ
次へ
「おはようございます。」 カフェでのティータイムも終わり、いつものバイトの時間。 今日のシフトはあの人。 二人とも6時からで、裏の事務所のようなところで二人。 そして… いつも通りの沈黙。 き、気まずい…!でも私から話すこともないし……。 INの時間まではあと5分。 5分間これなのかな? と思っていたところ、 「咲夜さん。」 向こうから声をかけられた。 「はい?」 唐突だったので驚き、一言返すのが精一杯。 「咲夜さんていま16だっけ?高1だよね?」 「はい、そうですよ?」 「そっか…もうすぐ俺と一回りも違うんだな…。」 「いま28なんですか?」 「そう見える?」 ちょっと意地悪そうな笑みを浮かべて聞かれる。 見た目はまぁ普通のお兄さんといった感じ。 でもなんか… 「どっちかっていうと上に見えますね。」 素直にそう言うと見るからにがっかりした感じで、 「まだ若いつもりなんだけどな…。」 と呟いた。 悪いこと言っちゃったかな…?
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加