僕と、君と、怖いモノと、

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「……ん」 ーー微かに息を漏らし、瞼を震わせる。 目を開くと同時に白い光が一面に広がって、とても眩しい。 しかしその光に慣れてくると、ここが家の中だと分かった。 それも、知らない誰かの家だ。 「…温かい…」 少年は身体半分を起こし、自分の周辺を見渡した。 ベッドに寝かされていた自分を、二枚の毛布が包んでくれている。 そしてベッドの側にある小さな棚にはトレイが乗ってあり、そのトレイの上には、湯気が浮き出しているコーンシチューとココアが置いてあった。 まだ、作りたてのようだ。 服装も一式変わっていた。 白地のフードのついた半袖のパーカーに、柔らかい生地の七分袖のズボンだ。 サイズも、小柄な少年にしっくりきていた。
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