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「はぁっ……はぁ……五月蝿いのよ、がらくたが……」
足元に広がる時計の惨状は、私の頭の中を形容している様に想えた。
どうせドッキリでしょう。違うかも。違わない。どうすれば?
あの娘は死なないという確信と、もし死んでいたらという不安。
不安を塗り潰そうとしても、新しい不吉な要素が生まれる。
ルービックキューブをやらされている感覚。
回せども回せども、揃わない。
その後も散々悩んだが結局、夫の啓祐さんに連絡をとってみようと想う。
そうだ、それが一番早い。
彼の下に連絡が行っていなければ、きっと……。
彼はきっと何食わぬ顔で笑いながら、一枚取られたな、などと言ってくれる。
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