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「ダメだって! まだ起き上がっちゃ!」
慌てて獅桔が樒影をベッドへと横たわらせる。
「だって・・どこ・・?? 俺と獅桔の子供・・っ、まさか・・っ!」
錯乱したように呼吸が乱れ、ボロボロと涙を溢す樒影を、獅桔はぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫、無事に生まれたよ。だから安心して?」
獅桔の優しい体温と穏やかな口調が、また違う涙を誘う。
「ほんとに・・??」
「うん。今はまだ保育器にいるからここにいないだけ。可愛い男の子と女の子だよ」
「良かった・・」
脱力にも似た安堵感の後、樒影に強烈な眠気がやってきた。
「良く頑張ったね。ありがとう樒影」
ーーー今は、ゆっくりお休み。
微睡の中で聞こえた声は
ほんの少し、潤んでいるような気がした。
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