それは、ある満月の夜の事でした。

6/7
前へ
/11ページ
次へ
ーーーそれから数日後。 「うぎゃあああああああああんっ!」 「ふえええええええええええんっ!」 二つの元気な泣き声が、病室にこだまする。 「ほらほらーー、二人とも泣き止んでーーパパだよーー」 「「ほぎゃああああああああっ!!」」←← 獅桔はあの手この手であやそうとするが、全く効果がない。 「み、樒影ーー(泣)」 お手上げ状態の獅桔の様子を見ながら、樒影はクスクスと笑う。 「頑張れパパー♪」 「え! 笑ってないで助けてよーー><」 よいしょ、と樒影が一人を抱き上げるとユラユラと揺らし始める。 「ほら、獅桔も一緒にやって♪」 「う、うん」 すると、徐々に二人は泣き止み再び寝息を立て始めた。 「なんだ、寂しかったのかーーそっかそっか」 自身と同じ金髪をした赤ちゃんに、獅桔は頬を綻ばせる。 「そういえば、獅桔」 「ん??」 「先生から聞いたよー」 「? 何を??」 ユラユラと赤ちゃんと揺らしながら、獅桔はキョトンと目を丸くした。  
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加