それは、ある満月の夜の事でした。

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「俺か赤ちゃん、どちらを優先するかって聞かれたでしょ?」 獅桔は、一瞬「あっ」と言う顔をして口ごもる。 「いや、あれはその・・・」 「もう、無茶な事言うんだから・・」 「だ、だって、それ以外考えられなくて・・!」 「良い旦那さんですね、だって」 「え?」 「先生がそう言ってたよ♪」 「えぇーー;; すっごい失礼な事言っちゃったのに・・!」 「″愛されてるんですね″って、俺が照れちゃったじゃない。 先生もあれで、なんとしても助けなきゃって気合い入ったって(クスクス」 うう、と気恥ずかしそうにベッドに腰を下ろした獅桔に、ふっと樒影は微笑んだ。 「・・・ありがとね、」 樒影はそっと獅桔の元に体を寄せると、軽いキスをその頬に落とす。 「これからも宜しくね、パパ♪」 それはある晴れた日の事。 ほどなくして、病室は賑やかさを増す。 「赤ちゃん楽しみやなー´▽`*」 「あ! みっちゃんの部屋ここだーー♪」 「あーかたん♪」 「いや、別に抱っことかしたいとかは・・(ソワソワ」 「こら、顔出したらバレるだろ。病室はペット禁止なんだから」 「赤ちゃん可愛いだろうな・・//」 「俺たちと同じ双子らしいからな!」 ーーHAPPY BIRTHDAY-- 「俺の命もくれてやる!だから四の五の言わずに絶対助けろ!!」  
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