~夕紀の真実~

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これが最後と決めた後から、私はいつも通り翔に接した これでいい、これでいいんだ…… 翔に明日のデートについて言われたが、家の用事があると言って断った 翔は少しがっかりした声をしていたが『また今度』と言い、電話を切った もう2度と電話も何もできなくなるとも知らずに でもこれでよかったんだ 私はあの後すぐに安藤君に電話を入れた 俊「決意したんだね…」 夕「約束はちゃんと守る… だから翔には手を出さないって誓って」 俊「ふっ、もちろんだよ(笑)」 私はその言葉を聞いて電話を切った 私は目を閉じ、今までの翔との思い出を振り返っていた 2人で笑い合ったこと ケンカしたこと 抱き合って寝たこと 全てが私の宝だった かけがえのない日々 その中でも1番嬉しかったのは翔が翔のお母さんに私のことを『お嫁さん』と紹介してくれたこと あの時は、一生一緒だと思っていた いや、今でも翔は思っているだろう そんな翔の思いを、私は壊そうとしている きっと、他のみんなとも今までの関係ではいられなくなるだろう でもこれでいいんだ… 翔が無事でいてくれるなら、私は犠牲になっても構わない 今までありがとう翔…… あなたのことが 誰よりも大好きでした
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