~夕紀の真実~

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夕「し、従います……」 私は血が出てしまうほど、強く唇を噛んだ 俊「よろしい(笑) …あっ、あと『安藤君』じゃなくて、そうだなぁ~『俊君』って呼んで! 呼び方が名字だったら距離あるでしょ?」 私はこれにもただ、黙って従うしかなかった 夕(こんなの付き合いじゃない……) と思っていると 俊「じゃあ、また少し経ったら連絡するから…」 と言い電話を切った 私はケータイを机の上に置き、ベッドに横になった そして中学3年の初めて翔とデートに行った時のことを思い出した ーーーーーーーーーーーーーー 夕「………」 翔「………」 私たちはただ黙って公園のベンチに座っていた 夕(ど、どうしよ…… 何か、何か話題を………) そう思って、チラッと翔を見ると翔は手のひらに何やら文字を書いていた よく手のひらを見ると、『人』って字を何度も書いていた そんな翔を見て、緊張しているのは私だけじゃないんだと思い 思わず笑ってしまった
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