~夕紀の真実~

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でも、そんなまるで蓋を閉めているような私の思いは2人に通じることはなかった 優香ちゃんは私をひっぱたこうとしたが、俊君によって止められた 俊「何が何だか分からないけど、夕紀に手出したら許さないよ…」 嘘つき… 俊君が全て仕組んだくせに『何が何だか分からない』なんて…… そんなことを言って止めても、優香ちゃんの勢いは止まらなかった 優「あんたに話を聞いてない!夕紀!ニノ君は、ニノ君はどうするの?」 かなり気が立っている優香ちゃん 無理もない、優香ちゃんだって翔が好きなんだから…… でもこれしかないの…… 夕「優香ちゃんにあげる(笑)」 バシン!! 私の発言の後、すぐさま明日香が私の頬を思いっきりひっぱたいてきた 明「ニノ君は物じゃないんだよ!あげる、あげないの問題じゃないでしょ? ニノ君は夕紀が学校離れてからずっと口癖のように言ってたよ『夕紀、大丈夫かな?』って… 『夕紀、元気かな?』って、いつもいつも夕紀のことを第一に考えていたんだよ!! そんな優しいニノ君を見捨てて、こんなことしてるなんて 夕紀最低だよ!!!」 明日香の言葉に私は複雑な2つの感情を抱いた 1つは私がいない所でも翔は優しさを見せてくれていたということ やっぱり翔に愛されている実感ができて、本当に嬉しかった もう1つは…………悲しみ 優しさを受け、愛され、実感できるからこそ受ける悲しみ 私だって、不器用なりにも一生懸命翔に表してきたものと 翔が私に与えてくれたものはなんら変わらないから
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