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優「翔………」
静君は翔の言う通りに2人だけにしてくれた
『外で待ってるから』とだけ言って出て行った
翔「まずは悪かったな、いきなりあんなこと言われても意味分からなかったよな……」
翔の問いに私は頷いた
翔「でも別れてほしいって思う気持ちは本心だから……」
優「そ、そんな!!!
なんでよ!私、翔に何かしちゃったの!!?」
翔は下を向きながら頭を横に振った
私はさっきのように防がれないために、いきなり強く翔を抱きしめた
翔「お、おい!!」
優「私、翔がいなくなっちゃったら1人になっちゃうよ……
そんなの嫌だよ………」
私は震えながら、さらに抱きしめる力を強めた
翔「優香はさ、世界で1番に大好きな人と深い事情があって1人じゃ絶対生きられない人
どっちと一緒にいたい?」
優「………えっ?」
私は急な翔の変な質問がきたことに動揺し、何も言えなかった
黙っている私に翔は私の背中に手を回して続けた
翔「優香はきっと大好きな人を選ぶと思うけど、俺は違う
俺は生きられない方と一緒にいる
だから、ごめんな………」
この時私はなんとなくだが、翔の言いたいことが分かった
きっと遥の何かを知ってしまって、ほっとけなくなっているんだ
翔は優しい人だから
私は流れる涙を抑えきれないまま、翔に言った
優「どうにも…………
…………もうどうにもならないの?」
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