~ミスコン~

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優「はぁ………」 私は隣の机が空席なのを見て溜め息を吐いた あの後、翔の怒りが止まることはなくみんなが強引に抑えつけた その直後に先生が来て、殴られた男子生徒が翔のことを話し 翔は生徒指導室に連れて行かされた 担任の先生と生徒指導の先生と翔の3人で話しているため、私たちは自習をしながら待たされていた 翔が私のために怒ってくれたことは嬉しい すごく嬉しい でも、やっぱり私の心は満たされない 守ってくれるなら、隣で 誰よりも近くで守ってほしい そんなことを考えていると、翔はゆっくりドアを開けて入ってきた みんなも一瞬翔を見たが、すぐに目をそらした 何を言えばいいのか分からないからだ 翔は自分の席まで行くと、荷物をまとめだした 優「何してるの、翔?」 翔「………停学になった」 翔はそう言い、リュックを持ち教室を出て行った 優「ま、待って!!」 私は翔を追いかけ、教室を出た 廊下を歩いている翔の腕を掴み、言った 優「私の……私のせい?」 下を見ながら言う私に、翔は微笑んで頭をなでてくれた 『優香のせいじゃない』って意味を込めてくれてるのが、分かるくらい優しくなでてくれた 優「翔…………」 顔を上げ、翔を見ると翔はニコッと笑い 翔「またな」 と、だけ言って去っていった 私は何をするでもなく、ただその背中をじっと見ていた
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