恋風～あの頃の景色～

～ミスコン～

優「………今、なんて……………」

私は聞き間違えじゃないか確認するために言った

翔「だから、勝てよって言ったんだよ(笑)」

やっぱり『勝て』って聞こえる

優「それって、もしかして………」

いつの間にか、私の目に涙が溢れていた

翔は手で私の涙を拭き続けた

翔「俺、優香と絶交なんて嫌だよ(笑)」

そう、遥が出した私が負けた時の条件は『翔と縁を切ること』

負けが決まった瞬間、翔とは赤の他人となる

ただの同じ学年、ただのクラスメート

そんなの死んでも嫌だった

私は翔に抱きついて泣いた

声を出して、翔に強く抱きついた

怖かった

圧倒的な人気がある遥に勝つなんて、確率はあまりに低い

ほとんどの確率で負ける

負けたら翔とはもう関われなくなる

みんなの前では強がったが、怖くて仕方なかった

翔は私の頭をなでて言った

翔「怖いか？」

私は泣きながら、頭を縦に振った

翔「俺がいなくなるのが怖いか？」

その返事にも私は頭を何度も縦に振った

すると、翔は私を優しく抱きしめて続けた

翔「大丈夫、優香にはみんながいる

静、拓、麻由、明日香、結衣………

そして俺もいる

だから安心して戦ってこい(笑)

俺は信じてるからな……」