仄暗い青空

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「何なんです?僕、もう非番なんですよ!」 「…いや、それがまかり通るほど今日は平和じゃないらしい」 「はい?」 「とりあえず来てくれ」 訳も分からず羽城警部に着いていくと、ビルとビルの間にある、子どもふたり入れるほどの小さな路地裏に出た。 薄暗いが、蛍光灯の放つ光が足元をかろうじて照らしていた。 進むと、何やらざわざわと騒がしくなってきた。 なにかを大勢の警察が囲んでいる…。 「邪魔だ、邪魔だ退け!」と羽城警部は怒鳴りながら人を掻き分けた。 「ほれ、見てみろ」 そう言われ、僕は羽城警部の肩ごしから"それ"を覗いた。 なんだ? ―――なんなんだ? "それ"は、明らかにヒトの胴体と思われる部分を綺麗に残して、あとの頭部、手足と思われる部分は原形を全くと言って良いほど留めていない。さらに恐怖を感じられずにいられないのが、"粉々に砕いて飛び散ったであろう頭部と手足の肉片を、頭部と手足の形に戻そうとしている"ことである。 鎖骨から上が、肩と恥骨から先を無くした胴体は、まるでオブジェである…。 「うっ…おえぇえ」 あまりの残虐さに吐き気が押し寄せてきた。 異常だ。
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