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目はキラキラしていて共感者を見つけて興奮していることがよくわかる。
「赤松くんもかっこいいよ。背が高くて鼻筋も通ってるし」
僕はおもわずドキッとした。
心拍数の上昇を如実に感じることができる。
どのような返事をしようか考えるが、口から出る直前で形を失ってしまう。。
まるで最初から存在しなかったかのように。
本当に言いたいことは現実に存在できないようだ。
「そんなことないよ」
結局何の捻りもない返事になった。
「ところでどうして僕の部屋で僕の本を読んでいるの?」
気のきいたことを言えなかったので、仕切り直しとして質問してみた。
「そこに部屋があって、リュックの中に本があったからだよ」
どうだ、と言わんばかりに威張る素振りをみせた。
「答えになってないよ。別に読んでいいけど自分の部屋で読んでくれる?」
不機嫌な目で僕を見つめるエリカ。
不満が視線を通してありありと伝わってくる。
「わかった、特別に自分の部屋に行ってあげる」
「どうもありがとうございます」
「で、赤松くんはもう寝るの?」
「うん、今日は疲れたからね」
「もっと一緒におしゃべりしたかったなあ。ちょっと残念」
エリカがいかにも残念そうに肩をすくめた。
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