第4話

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海沿いの道を車が僕ら3人を乗せて進んでいく。 目的地は一色さんが所有する海辺のペンション。 滞在期間は3日だ。 窓は開けられており、磯の香りが鼻腔をくすぐる。 「もうすぐ着くよ」 と一色さんが言う。 実際そう言ってから10分後に到着した。 ペンション自体は海に直接面しておらず、防砂林を挟んだ向こう側に海が広がっ ている。 僕らは車から降りて荷物をトランクから取り出し、ペンションの中に運び込ん だ。 「海で泳ぐなり砂浜で城を築くなりして遊んでもいいよ」 一色さんがそう言うので僕とエリカは海へ繰り出した。 僕は砂浜で山を作った。 残念ながら僕は城を築けるほど器用ではないようだ。 エリカは水着に着替え、青く輝く海へ飛び込んだ。 水が舞い上がり、公園の噴水を彷彿させる。 夏の日差しが彼女の白い肌を照らしている。 肌が日差しを反射してさらに白く見える。 エリカの先にあるのは遠い遠い水平線。 僕にはその先が見える気がする。 なにせ僕は線を越えたのだから。 しかしその線の先にある世界は正しいのかわからない。 本当は別の世界に行くべきなのかもしれない。 ここは間違った世界なのかもしれない。 汐によって砂の山が崩れていく。
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