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それは妹が僕を呼んでいるように見えた。
こっちに来てと言っている。
僕は行かないといけない。
呪縛から解き放たれるときだ。
不平等な世界に石ひとつ投げてみようじゃないか。
そして僕は窓から外へと飛び出した。
裸足で防砂林を抜けて夜風で冷えた砂浜を歩く。
周りに街灯のような明かりはない。
今日は新月だ。
何も見えないため、いつ海水のあるところに達するのかわからない。
急にひやりとした感触が足首から下に絡みついた。
海に辿り着いたのだ。
僕は風が誘うままに海へ足を動かしていく。
体はどんどん海へと沈んでいき、完全に僕は海へと埋没した。
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