第4話

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僕は各駅停車の電車に揺られている。 帰路についているのだ。 あれから僕は気がつくと、仰向けで浜辺に倒れていた。 空には丸い月が昇っている。 世界が変わった。 僕はそう思った。 ペンションに戻ると、一色さんだけがいた。 エリカがいる形跡が一切見当たらなかった。 彼女は役目を終えたのだ。 一色さんに家に帰る旨を伝えた。 彼は「そうか、気を付けて」とだけ言うと、僕にリロイの入った瓶を手渡した。 餞別の品を受け取ると、リュックを背負ってペンションを出た。 僕は再び現実の世界へ帰還するのだ。 ――Fin――
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