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僕は各駅停車の電車に揺られている。
帰路についているのだ。
あれから僕は気がつくと、仰向けで浜辺に倒れていた。
空には丸い月が昇っている。
世界が変わった。
僕はそう思った。
ペンションに戻ると、一色さんだけがいた。
エリカがいる形跡が一切見当たらなかった。
彼女は役目を終えたのだ。
一色さんに家に帰る旨を伝えた。
彼は「そうか、気を付けて」とだけ言うと、僕にリロイの入った瓶を手渡した。
餞別の品を受け取ると、リュックを背負ってペンションを出た。
僕は再び現実の世界へ帰還するのだ。
――Fin――
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