第一章

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よく見ると入り口の方からゆっきが歩いてきた 「ゆっき可愛い。ハァハァ」 と言いながらヨダレを垂らしているこいつはマジでヤバイんじゃないだろうか そんな心配をしながらゆっきの方に目を向けると隣にいる橋の下で泣いていた子と目が合った 俺はドキッとし、思わず目を逸らすと、彼女は俺の方に近づいてきた 「緒方 ゆうすけ でしょあんた」 自分の名前が呼ばれてビックリした俺は同級生にもかかわらず敬語で「はい」と答えてしまった 「話があるから放課後、峠橋の下に来てくれない」 峠橋とは昨日彼女が泣いていた橋でまだ驚いていた俺はまたしても「はい」と答えてしまった 俺の返事を聞くと彼女はそそくさとゆっきの元へ戻りパンを買い終わっていたゆっきと食堂を出て行ってしった 「パンを買っているゆっきも可愛いな~」 ヨダレを垂らしながそう言っているこいつは多分さっきの話は聞いていなかっただろう
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