第一章

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ツンツン ツンツン 誰だ俺の眠りを妨げるやつは。ったくこっちは眠いっつうのに。起こすなよな ってあれ。なんで俺寝てんだっけ あっ。そういえば橋のの下で待ち合わせてたんだ 思い出した俺は勢いよく 起き上がった 「きゃっ。ビックリした」 「ごめんごめんつい眠くなっちゃって」 そう言って顔を上げるとそこには俺が約束した女性ではなくゆっきがいた 「私の方こそごめんなさい。つい顔をツンツンしちゃって」 「別にそれはいいんだけど、それよりなんであなたがここに居るの」 そう言うと彼女はあぁと言い本来の目的を思い出したかのような顔をして話した 「えーっと、まず私のことわかるかな。貴方の隣のクラスの桜井ゆきこって言うんだけど」 「知ってるもなにも学校でかなり有名ですよあなた」 むしろこの学校に通っていてあなたを知らない人の方が少ないんですけど。 「えっ!そうなの、でもよかった私のこと知ってもらってて」 そう言った彼女は本当に安心したような顔をして俺の方に顔を向けて来た 「今日はいきなり呼んでしまってごめんなさい。しかも理沙を通して来てもらって。本当にごめんなさい」 理沙。あぁあの橋の下で泣いていた彼女のことか。 「別いいいよ。それよりも何の用なの」 「いきなりでビックリすると思うんですけど。私、あなたのことが好きなんです。私と付き合ってくれませんか」 そう言った彼女は顔を真っ赤にし、恥ずかしそうにしていた 「え」っと思わず言ってしまった俺に真っ赤な顔をした彼女はもう一度言って来た 「入学式の日に階段から落ちた私を助けてくれたあの日から私はあなたのことが好きでした」 入学式。 あぁ。確か階段を登ろうとしたらたまたま誰かにぶつかった女性が上から落ちて来てとっさに抱きかかえたことを俺は思い出した。 あの時落ちて来たのはゆっきだったのか。あの時はまだ入学式だったからまだゆっきのことは知らなかったからなぁ それにそんなこととっくに忘れてた
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