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言われたとおりに進むと村の真ん中には教会があった。
事情を話し大きなバッグだけ預け、再び森の中に入った。
森の空気はすごく澄んでいるように感じられて吸うたびに気持ちがいい。
適当な木にもたれ掛かって上を見る。
木の間から注いでくる日の光も気持ちいい。
こうやって空を見上げているのが不思議だ。
俺がかつてはこうやって日々を過ごしていて、今もこういう日々を望んでいる。
本来の目的も忘れてうとうとしていたら影ができた。
なんだ?
動物か?
念のためウエストポーチに手を入れて石を一つ握る。
上のほうでガサガサと草木と何かがこすれる音が続く。
何が動いているのかは生い茂った木のせいでよく見えない。
「危ない!」
そして、その声とともに俺の視界は女の子でおおわれた。
「ぐぉっ!」
俺の上にしっかり乗ってきた彼女に押し倒されてぶっ倒された。
いてぇ……。
しかし、この手の感触は……
「い……いやああああああああああ!!」
その声とともに頭に叩き込まれた一撃で俺の右手の柔らかい感覚と意識は消えた。
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