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目を覚ますとすでに視界は赤かった。
夕方じゃないか……。
「あの、大丈夫ですか?」
首を動かすと、かなり心配そうな顔をした少女が俺を覗き込んでいた。
年は多分俺より少し下、長い髪を一つに束ねている、首からはアクセサリーにされた魔法石をさげていて、それにYシャツとズボンという格好だった。
……胸は小さい。
「頭を思いっきりたたいちゃったから……でもその……わたしじゃあなたを動かせなくて……ごめんなさい」
彼女がこんなことを言っている間に彼女の全体をこんな風に見ることができた。
「いや、気にしないでくれ。実際寝たおかげか頭はすっきりしてるし、幸い俺は丈夫なんだ」
大丈夫だということを示すために立ち上がると跳ねたり、木のまわりをまわってみたりする。
うん……ほんとに大丈夫そうだな。
「でも一応手当をしないとです。わたしの家まで来てくれませんか?」
「いや、いいよ。これから行かなくちゃならないところもあるし」
「これからですか? もう夕方なのにどこに?」
「この近くに住んでいるメイカーに会いたくて。ちょっと魔法石が少なくなってたから」
「どんな石が必要なんですか?」
「そうだな、剣が一番必要かな。めんどくさくて料理にも剣を使ってたからなぁ……って、こんなことを君に話しても意味がないな」
「意味はありますよ?」
えっ?
どういうことだ?
俺が意味が分からなくなり困惑していると彼女は俺の疑問を解決してくれるように名乗ってくれた。
「わたしはメイといいます。この村のメイカーです」
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