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丈夫そうな木で作られた家に入ると、適当なとこに腰かけて、と言われたが俺は失礼だな、と思い玄関近くに立っていた。
「えっと……剣でしたっけ?」
「ああ……」
彼女は家の奥の箱をがさがさと漁っていくつかの魔宝石を持ってきた。
「これでどうでしょうか?」
一つを手にとって握る。
良さそうだな。
「使っても?」
「あっ、はい。どうぞ」
魔宝石が光だしてあっという間に手に剣が現れる。
「おお、早いな」
「あ、ありがとうございます……」
買いたいと言うと、彼女はそれに破格な安さの値段を提示してきた。
「こんなに安くていいのかい?」
「はい、この村で暮らしてる分にはあんまりお金は必要ないですから」
旅してる俺にとってはありがたい申し出だったので素直にその値段で買うことにした。
「このあとはどうします?」
「教会にお世話になるつもりだから、これから村に戻るつもりだけど?」
「だったら村まで送りますよ。暗い森のなかは素人には危ないですから」
「別に素人ではないんだけどな……」
とはいえ知らない場所を暗いなか歩き回るのは本来得策ではない。
それに比べ勝手知ったる人が一緒にいるのはありがたい。
「でも、そうだな。お言葉に甘えることにする」
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